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アスペルガー症候群医師が実践する糖質制限とビタミンB6摂取

ドラマ『グッド・ドクター』の医療監修を担当している精神科医の西脇俊二さん

 ドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が「毎週泣ける」と、今クールで随一の注目を集めている。主演の山崎賢人(23才)が演じるのは小児外科の研修医・新堂湊。発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害で、他人との意思疎通に困難を抱える一方、ある領域に突出した才能を発揮する「サヴァン症候群」でもあり、天才的な記憶力を持つという難しい役どころだ。

 日本学生支援機構の調査によると、2016年に発達障害と診断された大学生の数は4150人で、2011年の1453人から約3倍に増えた。

 目的のない雑談が苦手。相手を傷つける発言をズケズケと言う。「時間ある時にやっておいて」などあいまいな言い回しをそのまま受け取り、仕事を放置する。自分で決めたルールに強いこだわりを持ち、手順通りに行かないとパニックになる──そんな傾向が生きづらさにつながっている。

 このドラマに医療監修の立場でかかわっているハタイクリニック院長の西脇俊二さん(56才)が、治療法について説明する。西脇さんも自閉症スペクトラム障害の一種である「アスペルガー症候群」を抱えている。

「精神科の医師を10年以上続けていたある時、“病気を治せたことがほとんどない”と気づきました。それまでは、症状を一時的に抑え込むために薬を処方するなどの対症療法が中心でしたが、本当の健康、治癒を目指すために、食事や運動などの生活習慣の見直しの指導へと切り替えました。発達障害は“脳機能の障害”なので薬の副作用も大きいので、薬は極力処方しません。同様に、食べ物で摂取したものの影響も大きいと考えられるので、食事療法を積極的に行っています」

 西脇さんが勧めるのは、ご飯や麺などの糖質の摂取を抑える「糖質制限」だ。最近はダイエットに効くとブームだが、西脇さんは精神科での治療の観点から注目している。

「糖質を多く摂取すると急激に血糖値が上がり、交感神経が刺激され、自律神経のバランスを崩します。

 また、神経伝達物質の分泌にも異常をきたし、“やる気ホルモン”と呼ばれるドーパミンの分泌量が減るので、鬱につながるおそれがあります。

 さらに、糖質を摂ると脳内でβエンドルフィンという麻薬様物質の分泌が増加し、幻覚や妄想が出現する人もおり、それが統合失調症の症状となっていると考えています。健康な人に比べ、発達障害の人はそれが顕著に表れる傾向にあります」

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