楠本氏とは、昨年9月、織田代表が襲撃を受けた際に射殺されたボディガードである。神戸山口組傘下組員による犯行とされるが、実行犯は捕まっていない。
「この通達が、一回忌が終わるまでは動かないという意味だとすると、9月以降に改めて動きがあるのではないか、と見られています」(前出・実話誌記者)
◆再統合は苦肉の策
もし六代目と任侠が合流した場合、苦しくなるのは残される神戸だろう。実は神戸側にも、再統合に向けた動きが起きていた。
「神戸の中でも、『六代目より前に任侠と再統合したほうがいいのではないか』との意見が出て、任侠側への働きかけを始めたようです。ただし、7月27日の執行部会で、井上邦雄組長が再統合に反対し、頑として譲らなかったようだ。自分を批判して出て行った織田代表のことが許せないということなのでしょう。
それでも、入江禎副組長をはじめ、任侠との連携を画策する一部が『統合が無理なら同盟という形ではどうか』という話を任侠に持ちかけていたと聞く。しかし、任侠はボディガードを殺されている手前、今のところ話が進んでいないようです」(前出・溝口氏)
いずれにせよ、3団体が再統合に向けた動きを活発化させているのは間違いない。互いに批判を繰り返し、抗争による死者も出してきた暴力団同士が、再統合するなどあり得るのか。フリーライターの鈴木智彦氏は、時代の変化を指摘する。