「かつての山一抗争では山口組が分裂した一和会に対して徹底した報復を行ない、双方に25人もの死者を出す壮絶な抗争の末、一和会を解散に追い込んだ。親子関係が絶対のヤクザにとって、逆縁(組員が親である組長に逆らって出て行くこと)した人間を戻すなど本来なら絶対にあり得ない。
しかし、今回の分裂騒動では、分裂後に3団体ともが弱体化している。ヤクザの筋を通すより、かつての力を取り戻すために再統合に向けて動いたほうが得だと考えているのではないか。もっとも、こうした水面下の交渉では、完全にまとまるまではあらゆる情報が“何らかの思惑”があって出されたものと考えたほうがいい。自分たちの立場を有利にするための情報戦が行なわれている」
警察もこの動きを注視しており、「分裂に乗じて3団体の取り締まりを強化し追い込んできた警察としては、再びまとまって一つの巨大な山口組に戻るのが一番困る」(警察関係者)という。
「仁義なき戦い」から「仁義なき和解」へ、3つの山口組抗争は新局面を迎えた。
※週刊ポスト2018年9月7日号