「かみさんのお尻ばかり追いかけていて、書道や陶芸といった習い事にもくっついていったり(笑い)。仕事が忙しくなると続かないので、基本的に三日坊主。でも、茶道だけは20年続いていて、かみさんと一緒にお茶と和菓子をいただくのが息抜きです」

 10月上旬には、短編映画『島のシーグラス』(榊原有佑監督)の公開を控える。舞台は熊本県上天草市の離島・湯島。演じるのは、島に単身移住してきた元骨董品鑑定士の老人だ。誰とも心を通わせなかった孤独な男と、島の少女との交流が繊細に描かれている。

 これまで幾多の役を演じてきた平田だが、60代半ばを迎え、芝居に対する想いも変わってきた。

「僕に来る役は、イケメンでもボス的な存在でもなく、おとなしくて真面目。表に感情を出すタイプではないことが多い。そう見られることに抵抗もありましたが、最近はそこから無理に抜け出さなくていいと思うようになりました。逆に、“この役、平田じゃないみたい”と思われるなら、僕が演じる必要はない。何を演じても僕の色が出てしまっていいと思うんです」

●ひらた・みつる/1953年、愛知県生まれ。大学在学中に劇団「つかこうへい事務所」に参加し、舞台『熱海殺人事件』などに出演。映画『蒲田行進曲』(1982年)で舞台同役を演じ日本アカデミー賞最優秀主演男優賞などを受賞、脚光を浴びる。2001年に舞台『こんにちは、母さん』『ART』で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。2005年に妻・井上加奈子と「アル☆カンパニー」を設立。近作に大河ドラマ『西郷どん』、ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』、映画『22年目の告白』『光』など。10月上旬、主演映画『島のシーグラス』が公開予定

●写真/江森康之、取材・文/戸田梨恵

※週刊ポスト2018年9月7日号

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