車格的にライバルとなりそうなのは、日産自動車の「エクストレイル」、スバルのフォレスター、三菱自動車の「アウトランダー」、マツダの「CX-5」、トヨタのハリアーといったところだ。
この中で、フォレスターとアウトランダーは4WDのみで、エクストレイル、CX-5、ハリアーにはFFと4WDの両方があることから、都会派SUVのイメージで訴求してきたCR-Vにとっては、後者の3車種が、より強いライバル群といえるかもしれない。ここに来年、やはり日本に再投入する予定のトヨタの新型RAV4も戦線に加わってくるはずだ。
3列シートの7人乗りという点ではエクストレイルとアウトランダーも該当するほか、やはり3列シートでCX-5よりも大柄なマツダの「CX-8」は、昨年末の発売から1か月で、累計受注台数が月販目標の10倍という人気が出たことで話題になった。ミニバンからの乗り換え需要を促す意味でも、いまやSUVで3列仕様があることは1つの売りになっている。
一方、新型CR-Vの月販目標は、CX-8と同じ1200台。寺谷氏は販売目標について、「2年のブランクがあったことや、『ヴェゼル』の販売が引き続き好調なので、そこに上乗せしていくという意味で、まずは1200台を目指す」と話す。とはいえ、マツダとホンダの企業規模の比較からいえば、ホンダの計画はかなり保守的に映る。
ホンダの八郷隆弘社長は社内で、「CR-Vのようなグローバルモデルの日本投入で、日本のホンダをもっと輝かせたい」と語っているという。ホンダは「N-BOX」シリーズでヒット車を連発しているためか、日本では“軽自動車のホンダ”というイメージが年々強まってきている。ただ、ブランドイメージや収益率を考えれば必ずしもプラス効果ばかりではない。
そんな中で2年ぶりに日本で再登場した新型CR-Vは、もともとデザイン自由度が高いSUV群にあって、所有するクルマの個性で自己主張したい消費者を本当に取り込んでいけるのか。好調な海外での販売と対照的に、CR-Vは日本では2代目以降、徐々に販売が縮小してきただけに、巻き返しを図れるかしばらく要注目だ。