国内

障害者やLGBT巡る論争における「当事者性」のねじれ現象

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 ネットの歴史も長くなると、季節の挨拶のように必ず話題になるテーマがある。8月といえば日本テレビ系列が1978年から放送している『24時間テレビ「愛は地球を救う」』だろう。それをめぐって盛んに交わされる議論の様子をもとに、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、“当事者性”ついて考察する。

 * * *
 今年も8月末のネットの光景は例年通りだった。「『24時間テレビ』叩き」である。毎年のように展開されるが、放送する日本テレビは蛙の面に小便とばかりに、今年も第41回の放送を無事終えた。番組平均視聴率は15.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、最高は同34.7%(同)だからこの数字は相当高い。

 それだけ支持する人が多い番組なのだろう。それに加え、批判のパターンがおなじみになり過ぎて日テレもネットの雑音を気にしなくなっているのでは。同番組への批判は以下に大別される。

「感動の押しつけがウザい」「障害者を見世物にしている」「チャリティーマラソンの意味が不明」「チャリティーなのに出演者がギャラをもらっている」

「ギャラ」については、デーブ・スペクター等外国人による批判を紹介し「チャリティーの本場の人だってこう言ってる」とその本末転倒ぶりを補強するのも定番である。

 こうした風潮に同調する形で2016年にNHK Eテレは『24時間テレビ』が放送していた時間帯に『バリバラ』で「検証!『障害者×感動』の方程式」を放送。この中では「障害者の感動的な番組をどう思うか?」と健常者と障害者100人ずつに聞いた調査の結果を公表した。「好き」と答えた人数は健常者45人に対し、障害者は10人だった。

関連記事

トピックス

『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン