首都圏で地震が発生すれば、ビルの倒壊、密集する住宅地で火災が相次ぐことが予想される。東京・神奈川・静岡は東海道新幹線の通り道であり、交通マヒも必至。埋立地では液状化現象が起こる可能性もあり、その被害は計り知れない。
次に危険度が高いのは、「徳島県を中心とした四国」と「紀伊半島」だ。
「高知県の足摺岬や室戸岬、紀伊半島の潮岬のあたりは、8月下旬から静岡県南部と同じように、大きく北西方向に動いています。徳島県は特に、過去半年間で『1週間のうちに5cm以上の地表の高さ変動』も多数起きていますから、四国の中でも特に危険だと思われます」(村井氏)
徳島や紀伊半島で地震が起きれば、隣接する大阪や兵庫の都市部を地震や津波が襲う可能性もある。
福井や富山、新潟といったエリアでも、1週間の地表の高さ変動が5cm以上の地点が多数見られる。石川や福井の日本海側では沈降も見られるので、北信越エリアは警戒が必要だ。
「九州北部では小地震が起きていて、2016年の熊本地震の影響がまだ続いていると考えられます。九州エリアで特に警戒が必要なのは宮崎県。県全体の約4分の3が沈降しています」(村井氏)
地震大国・日本は、常に大地震の危険と隣り合わせ。どこに住んでいても、心の備えが必要だ。
【MAPの見方】
地図中では、今年2月24日~8月18日の間に、要警戒とされる「1週間で5cm以上の地表の上下動」があった地点を示した。それに加え、地表の長期的な「隆起・沈降」と、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」を分析し、過去の地震の前兆現象と比較した上で「震度5以上の地震が発生する可能性があるエリア」を警戒ゾーンとしている。
※女性セブン2018年9月27日号