国内

こんなブロック塀は倒壊の恐れあり、7つのチェックリスト

危険なブロック塀をチェック!

 6月18日に、最大震度6弱を記録した大阪北部地震で、建築基準法に違反したブロック塀が小学4年生の女児の命を奪ってから、ブロック塀に対しての危機意識が高まった。ブロック塀診断の第一人者で、エコ・グリーン設計代表取締役の小林徹さんが話す。

「ブロック塀の診断・改修費用はケースによって大幅に変わるが、診断料は2万円から、撤去する場合は、高さ2m、長さ10mのブロック塀で、15万円程度が目安です」

 決して安くはない費用だが、助成金が出る自治体があるので、確認してもらいたい。ただし、ここで問題はその額と手厚さが自治体によってまったく違うこと。都市災害に詳しい関西大学社会安全学部の河田惠昭特別任命教授はこう指摘する。

「自治体に財源の余裕がない事情はわかります。しかし、それはどの自治体も同じです。市町村長の、住民の命を守ろうとする覚悟と思いが問われるところです」

 2m以上あるひび割れたブロック塀を近所で見つけた主婦の由美さん(39才・仮名)は、家主にブロック塀を処理してほしいと頼んだが、断られてしまった。家主が強気で拒めるのには理由がある。ブロック塀が建築基準法に違反していても、直ちに罰則を受けることがないからだ。

 そもそも、現在の建築基準法に違反していても、建てた当時に適法だった場合、「既存不適格建築物」と呼ばれ、違法建築物とは区別され、そのままの形での建て替えができないだけなのだ。由美さんは、このまま泣き寝入りをするしかないのだろうか。国土交通省住宅局建築指導課の担当者が言う。

「危険性の高い塀に関しては、改善を指導していきます。法的強制力を持った“勧告”などのかたちで、命令をきかない悪質な場合は、罰金などの罰則があります。ブロック塀などの安全確保対策として、これまでに講じた所有者への啓発や注意喚起に加えて、違反を発見した場合には、厳正に対処していきます」

「倒壊の恐れがあるブロック塀リスト」(画像参照)に1つでも当てはまるブロック塀を見かけたら、自治体に相談してほしい。命を奪われるのは国交省でも自治体でもなく、普段、危ないブロック塀沿いを歩く私たちなのだから。

※女性セブン2018年9月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン