今季のV逸は既に確定しており、同一監督で3年連続優勝を逃したのは長嶋茂雄氏、王貞治氏に続き、3人目となる。
長嶋氏は1978年2位、1979年5位、1980年3位で解任。王氏は就任1年目の1984年から2年連続3位が続き、1986年は優勝の広島にわずか3厘勝率が及ばす、2位に。ただし5年契約だったこともありそのまま続投し、翌1987年に優勝を果たした。
「長嶋監督は2次政権でも1997年4位、1998年3位、1999年2位を経験している。1998年の時点で、長嶋氏の退任と森祇晶氏の監督就任が確実視されていたが、一度目の解任の時に読売新聞が部数を大幅に落としたトラウマもあって、結局絶大な人気を誇る長嶋監督は留任となった経緯があります。
高橋監督の3年間は2016年2位、2017年4位、そして今年ですが、2人と違って一度も優勝争いをしていない。その点を考えれば、最近3年は、巨人史上最も盛り上がっていないと判断できる」
高橋監督には、今季の岡本和真の台頭を理由に若手育成を評価する声もあり、チーム過渡期を預かっている辛さに同情する余地もある。
だが、1980年の解任時の長嶋監督は松本匡史や篠塚利夫、中畑清、山倉和博を育ててながら3位を確保し、1988年の解任時の王監督はウォーレン・クロマティ、吉村禎章というクリーンアップをケガで欠いた中での戦いで2位に留まった。
国民的スターだった2人と比べて、高橋監督を取り巻く空気は平穏に思える。