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金本監督続投方針で注目集める「阪神監督1年契約」の伝統

金本監督の続投方針は異例中の異例?(写真:時事通信フォト)

 昨季のセ・リーグ2位から、優勝を狙った阪神タイガースが17年ぶりの最下位でシーズンを終えることが決定した。10月に入って1勝7敗(10月8日現在。記録は以下同)と大失速。通常なら金本知憲監督の責任が問われる順位だが、フロントは昨年オフ新たに結んだ3年契約を理由に続投させる方針だという。しかし歴史を振り返ると、これは異例中の異例。野球担当記者が話す。

「阪神は、伝統的に監督と1年契約しか結ばない球団でした。だから、1978年に2リーグ分裂以降球団史上初の最下位になった後藤次男氏は1年で辞めた。1985年に初の日本一になった後、暗黒時代に入った頃も同じで、1988年に吉田義男氏の後を受け継いだ村山実氏は1年契約。1990年から指揮を執った中村勝広氏も1年契約と報道されていた」(以下「」内同)

 この伝統が途切れたように見えた時期があったという。

「中村監督は就任2年間ともに最下位でも留任し、5年間でAクラス1回でも6年目も居座った。これで、1年契約は単なる慣例と思われ始めました」

 1995年のシーズン途中、中村監督に代わり、藤田平二軍監督が監督代行に。1996年は代行の文字が外れ、正式な監督に。就任を伝える1995年オフのスポーツ紙には、〈久万(俊二郎)オーナーが『5年でも10年でもやってほしい』と監督に伝え、長期政権を確約した〉(1995年10月19日 日刊スポーツ)と掲載された。

 だが、1996年も低迷が続くと、シーズン途中の9月にフロントが藤田監督に解任を通告。会談は揉めに揉め、“お家騒動のタイガース”のイメージを世間に植えつける出来事となった。藤田監督は書面上では慣例で1年契約だったが、口頭で複数年契約を匂わされていたため、納得できなかったと言われている。

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