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相続民法改正、遺言状の一部は自筆でなくワープロでOKに

自筆証書遺言の変更点

 今年7月に相続に関する民法の規定を見直す改正案が成立、来年1月以降に順次、施行されていく改正民法によって、相続の常識が大きく変わる。

 遺言書には、本人が自筆で書く「自筆証書遺言」と、公証人役場に勤める公証人が書く「公正証書遺言」がある。これまで自筆証書遺言は、全文を自書する必要があった。不動産や株式、預金などの「財産目録」が長大になる場合、誤字や脱字といったミスも起きやすい。まこと法律事務所の弁護士・北村真一氏が解説する。

「相続財産が多い場合には、財産目録をすべて間違いなく手書きするというのはかなりの負担になります。家族の間では『三丁目の土地』とか『奈良の〇〇町の山』で通じても、法務局はそれでは登記してくれません。実際に山の登記を確認してみたら、1個の山だと思っていたら10個くらいの土地の集まりだったということがいくらでもある。それを目録で書こうと思ったら全部、住所や面積を確認して書かないといけない。国債なら番号も正確に書かないといけないし、『○○証券の投資信託』と書いただけじゃダメで、証券番号も書かないといけない」

 そこで今回の改正では、自筆証書遺言の作成方式が緩和され、財産目録については自筆ではなく、ワープロやパソコンでの作成が認められた。さらに、銀行の通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を添付して財産目録とすることも可能になった。

 パソコン等での作成が認められたということは、入力作業を家族らに代行してもらうことが可能になったということだ。できあがった財産目録や通帳コピーなどの添付書類には本人が署名捺印することで、偽造を防止する。

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