カナダで羽生選手をキャッチ


「2013年のGPファイナルで羽生選手が初優勝してからは、前人未踏の4連覇。一方高橋選手は、2012年のGPファイナルで日本人初の優勝を果たした以降、一度も羽生選手に勝っていません。そんな焦りもあったのか羽生選手に対する接し方が変わり始めて、態度が大きくなった感じがあって…。羽生選手もその変化を敏感に察したようで、以前のように先輩後輩の親しい関係からは遠ざかっていきました」(前出・スポーツライター)

 2人の関係に決定的な変化があったのは、2014年のソチ五輪。全日本選手権を連覇し、初めて五輪代表に選ばれた羽生。結果は、羽生が金メダルを獲得し、高橋は6位。高橋の3大会連続五輪入賞も日本人初の快挙だったが、羽生の偉業の前に薄れた。

「高橋選手はけがを押しての出場でよく頑張ったと思います。でもプライドの高い彼にとっては決して納得のいく結果ではなかったでしょう。9才も年下で、かつて自分がアドバイスしてあげていた羽生選手に負けたことへの悔しさだったのか、変な距離を作ってしまったのかもしれません。一方、羽生選手は争いを好まず孤独を選ぶタイプなので、自ら高橋選手に近づくことはせず、2人の溝が埋まることはないまま、2014年の10月に高橋選手は引退を発表しています。

 もちろんお互い大人ですから、今でも会えば挨拶はするし、雰囲気を悪くするようなことはしない。ただ、周りの日本人選手が2人の微妙な距離感に気を使うところはあるようです」(前出・スポーツライター)

 この12月、4年ぶりの直接対決となる可能性が高いが、すでに夏から2人の「場外乱闘」は始まっていた。

「高橋選手は復帰に向けて、ショートプログラムの振り付けをカナダの振付師に頼んでいたんですが、その練習が行われたのがカナダ・トロントにある『クリケットクラブ』。ここは、羽生選手が2012年にブライアン・オーサーコーチに師事してからオフシーズンの練習場にしている、いわばホームタウンです。敏感なファンは“わざわざかぶせてくるなんて”と激怒したんです」(フィギュアスケート関係者)

 7月の復帰会見で、高橋は現役を「1年限り」と語り、「全日本選手権の最終グループに入りたい」と明言している。

「羽生選手との直接対決を見据えて練習を重ねているということです。6月に発表されたルール改正で、4回転ジャンプの基礎点が大きく下がる一方、出来栄え点の段階が拡大された。表現力を武器にする高橋選手には有利で、現役復帰に踏み切った理由の1つと考えられます。ただ、本人が目標とする“全日本の最終グループ”に残るには、全日本出場を獲得したうえで、SPで6位以内に入らなければいけない。ブランクが長かっただけに、容易ではありません」(別のフィギュアスケート関係者)

 最終滑走前の6分間の練習で一緒にリンクに立つ2人の姿は見たい。

※女性セブン2018年11月1日号

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