神社本庁トップの田中恆清氏(時事通信フォト)

 鷹司統理は、旧五摂家出身で、2003年から日本電気通信システム社長、2007年から2017年までは伊勢神宮の大宮司を務めた。昭和天皇の第3皇女の養子で、天皇の義理の甥にあたる人物である。宗教学者の島田裕巳氏は言う。

「神社本庁において『総長』は法人としての代表役員であり、かたや『統理』は全体を統括する象徴的な立場になります。その関係性において、統理が総長に対して批判的な発言をするというのは異例で、その場にいた役員たちも驚きをもって受け止めたはずです。田中総長が(11日の)役員会で鷹司統理の前でも発していた辞意を翻したことに対して相当の怒りを持っているという意思表示でしょう」

 田中総長の「続投」発言を受けて、神社本庁は10月9日付の各神社庁長宛ての文書で、辞任表明報道は「事実誤認」と通知している。しかし、神社本庁関係者はこう話す。

「神社本庁では10月24日に各都道府県の庁長と神職代表、総代代表が集結する150人規模の評議員会が開かれます。そこで田中総長の辞任騒動が議題に上るのは必至で、鷹司統理の発言がどのように影響するのか、関係者は注目しています」

 平成の終わりに、神社界が揺れ動いている。

※週刊ポスト2018年11月2日号

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