「加藤勝信氏が総理になる力量の持ち主だと本気で思っている人は永田町にも少ないでしょう。しかし、安倍首相が任期中に憲法改正をできなかった場合、退陣後も影響力を保ち、引き続き憲法改正に取り組む後継者をつくりたい。勝信氏というカードはその状況下で極めて使い勝手がいい。安倍家と加藤家の家同士の関係も深いし、安倍氏が退陣後も力を維持するには忠実な加藤氏が一番安心できる。そうした総理の考えを周辺が忖度して、加藤氏後継情報を流して新聞に書かせているのでしょう」
かつて小泉政権の幹事長を務めた武部勤氏は自ら「偉大なるイエスマン」を名乗ったが、勝信氏は安倍首相だけでなく義父の六月氏、義母の睦子氏、そして首相の母にまで「偉大なるイエスマン」として仕えることで、総理・総裁の椅子をたぐり寄せた希有な才能の持ち主かもしれない。
※週刊ポスト2018年11月2日号