「代表作と『色』がある芸能人が広告に出ると、その役柄が視聴者の頭の中にチラついてしまいCMの役柄とのギャップに混乱を生じさせます。すでに存在するイメージが邪魔をしてしまうのです。その点Koki,さんはまだ『謎めいている』『デビューしたて』『なんだかすごそう』以外の『色』がないため、広告が伝えたいメッセージを邪魔しないのです」
話題性のある新人は広告業界にとっては使い勝手が良いということなのだろう。前出の中川氏はKoki,の現在の状況が過去のとある人物に重なるという。
「ICONIQさんです。2010年、資生堂の『マキアージュ』のCMに登場し、アルバム発売前日に追加で7社のCM契約を発表しました。彼女はすでに別名義で芸能活動はしていましたが、丸刈りのICONIQとしては新人扱いでした。この時も『勝ち馬に乗れ』的に多くの企業が乗ったのだと思います。何しろ彼女の名前がニュースに登場したら『○○社や××社や△△社をはじめ8社のCMに登場』なんて表現されたり、『新CM女王・ICONIQが登場するCM一覧』なんて表が作られたりします。あの時もネットでは『ゴリ押し』という指摘はありましたが、実際は『ゴリ押し』というよりは商売重視なのでしょう」