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2018.11.02 07:00  SAPIO

古谷経衡氏、新宿二丁目にて新潮45問題を想う

 LGBTだからといって、「日陰者でいるべきだ」と絶叫する保守ムラの老人と、その追従者(―驚くことに若者も多い)を見るたびに私はこの国がとてつもなく惨めで、陰惨で、鬱々とする後進的な側面を持つ事実と、一方で世界に冠たる最先端テクノロジーを保有する現実という「二重構造」の矛盾を痛感してしかたがない。

 二丁目は新宿の東側に位置するが、正直言って私は二丁目があまり好きではないことを再確認した。冒頭に書いたように、もはや観光地となった二丁目には、空振りする「熱狂」の残滓が溢れている。

 パンフレットに掲載されている、という情報のみを頼って続々とやってくる外国人観光客。そして「二丁目で飲むことが、なにかしら奇特でいて奇抜でいて斜めに洒落た文化的行為」とはな自覚している、若干意識が高い目のヘテロセクシャルの群羊と、そこから発せられる無思慮な雄たけび。

 こういう喧騒を、私は好まない。ゲイバーであろうがそれ以外であろうが、バーという場所は静謐を旨とせねばならぬ、と私は勝手に思っている。友達が居らず、悪い意味の熱狂を嫌う私は、観光地へと進化した二丁目とは根源的に肌が合わないのかもしれない。

 それとも、まだまだ二丁目という街の深淵を知らないだけなのかもしれない。いずれにせよ、小川の「作文」は間違っている。

 私はカミングアウトを推奨する気もないし、LGBTの権利擁護を声高に言うことが社会正義の指標だとも思わない。今次の取材兼飲みで、あるゲイバーのママは小川の写真を見るや「適度に枯れて居て良い感じだ」と返答した。小川は所謂「枯れ専」にモテるのではないか。該氏の許諾さえあればぜひ、私と一緒に二丁目を探訪したいと切望する。お互いに下らなひ熱狂は嫌いでせう?

【PROFILE】ふるや・つねひら/1982年北海道生まれ。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部卒業。主な著書に『左翼も右翼もウソばかり』『草食系のための対米自立論』。最新刊は『女政治家の通信簿』。

※SAPIO2018年11・12月号

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