やっぱりなぁ…。こうなるんじゃないかと思ったよ。
この一報をネットニュースで見た時の感想だ。実はこれ、誰にでもある「後知恵バイアス」という無意識の心の癖。後知恵バイアスとは、結果を知った後に、「ほら、やっぱりこうなった」と原因についてあれこれと後付けし、それがあたかも最初から予想できたと考えててしまう傾向をいう。
元日馬富士は加害者だが、モンゴルでは英雄の1人。事件の責任を取って昨年11月に自ら横綱を退いた。それでもモンゴルでは、当初から、被害者の貴ノ岩より元日馬富士を擁護するような論調が目立っていたといわれる。加えて、9月30日には断髪式が行われたばかりだ。このタイミングで提訴とは、一旦は落ち着いていた元日馬富士への同情論を再燃させるきっかけを作ったといわざるを得ない。とすれば、家族へのバッシングが強まるであろうことは想像に難くない。代理人もある程度のバッシングは予想していたとコメントしていたが、まさかこれほどとは思わなかったのだろう。
などと、ワイドショーの解説者よろしく、あれこれ分析してみるが、ここには、やはり後知恵バイアスが働いている。
元貴乃花親方が相撲協会にも頑な態度を取り、自らの信念を貫いていた時も同じだ。結果、それまでの相撲協会での地位を失った時、見ていた側は、「どうしてこうなることが分かわからなかったのか」という後知恵バイアスが働いたと思う。
実際、あそこまで頑な態度を見せてしまえば、後知恵バイアスでなくとも、そうなるのは当然だと分かるはずで…
オッといけない。こう書いているうちに、また後知恵バイアスが働いていたようだ。
元日馬富士は訴訟取り下げを受け、貴ノ岩に直接謝罪し、慰謝料も準備しているという報道もある。元師匠や代理人らが介入するより、当事者同士が話し合えば、こんなことにはならかなったのでは…
いけない、後知恵バイアスの罠にはまってしまった。