スポーツ

丸FA流出でも広島が「暗黒期」に戻らない理由

今季のMVP候補でもある丸佳浩(写真:時事通信フォト)

 プロ野球界の今オフのストーブリーグで最大の注目はFA宣言をした広島・丸佳浩(29)の動向だろう。今季、3番・センターを担い、3割6厘、39本塁打、97打点でゴールデングラブ賞も受賞。MVP候補と言われる丸に対して、巨人とロッテが獲得に名乗りを上げている。

 広島はFA移籍によってチームが弱体化した過去もあってか、丸に対して宣言残留を認める意向を示している。

 1993年オフのFA制度導入以降、広島は8選手が権利を行使してきた。1995年に左のエースでジャイアンツキラーとしても名を馳せた川口和久が巨人へ。2000年には江藤智が巨人へ、2003年に金本知憲、2008年に新井貴浩が阪神へ移籍(新井は2015年に広島に復帰)。生え抜きのスター選手が育ったと思えば、他球団に“奪われて”いった歴史がある。

 主力選手の流出もあってか広島はBクラスを抜け出せず、一方で2000年の長嶋巨人、2003年の星野阪神は優勝を果たした。3連覇の立役者の1人である丸が移籍となれば、広島が大打撃を喰らうことは間違いない。丸に限らず、2019年オフには菊池涼介、野村祐輔、會澤翼ら、2020年オフには田中広輔がFA取得予定となっている。ファンは15年連続Bクラスの“暗黒期”を知っているだけに、彼らの流出を危惧している。野球担当記者が話す。

「タナ・キク・マルが3人抜けたとしたら相当痛いですが、だからといって1990年代や2000年代のような連続Bクラス状態に舞い戻ることは考えづらい。というのも、当時はFAだけでなく、大学・社会人の1位、2位には逆指名の権利があり、そのドラフト制度が広島の弱体化に大きく関係していたからです」(以下同)

 逆指名制度導入1年目である1993年の1位は岡山南高校の山根雅仁だったが、1勝もできずに引退。社会人出身で2位の上田好剛は1軍登板なしのまま、現役生活を終えた。

関連記事

トピックス

11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン