ビジネス

ファーウェイ・ショック 日本の消費者離れが進む可能性も

多彩なラインアップで日本市場も重視していたファーウェイだが…

 12月19日の株式上場が目前に迫る中、ソフトバンクに俄かに暗雲が漂い始めた──。12月6日に起きた同社の大規模通信障害に加え、ソフトバンクはファーウェイの通信基地局設備を採用、次世代通信システムの5Gでもファーウェイと共同開発や実証実験を行ってきたからだ。

 さらに本業とは関係ないが、ソフトバンクホークスの選手の帽子のサイドにはファーウェイのロゴが入っている。ファーウェイ・ジャパンと広告の契約を結んでいるためだが、その親密な関係にあるファーウェイの副会長CFOが電撃逮捕され、日本も政府や省庁関係者がファーウェイ製品使用NGに動いた。

 ソフトバンク、NTTドコモ、KDDIの3社は、政府の意向を受けてファーウェイ製の通信設備使用を見送るようだが、一番痛手を受けるのが、すでに協業関係を築いてきたソフトバンクということになる。

 激化する米中貿易戦争の核心は、国家機密漏洩リスクもはらんだ5Gの覇権争いにあると言われ、いよいよその本丸での攻防になってきている。米国は同盟国を中心にファーウェイ製品の締め出しを要請、対する中国も、iPhoneをはじめとした米国製品のボイコット、不買に傾いている。

 ファーウェイは、いまや韓国のサムスン、米国のアップルとスマホの世界出荷台数で三つ巴の戦いを繰り広げるほど巨大になった。スマホの頭脳であるCPUも、米国のクアルコム製のスナップドラゴンシリーズではなく、ファーウェイ内製のキリンというCPUを使用している場合が多い。

 日本は海外諸国に比べてiPhone利用率が高いため、ファーウェイのようなアンドロイド搭載スマホのシェアは海外に比べると低いが、ファーウェイ製品締め出しの流れは民間企業にも及んでいくのか、さらにファーウェイ端末を利用している消費者はどう反応するのか――。

 振り返ると、格安スマホ、あるいはSIMフリースマホのジャンルで日本市場に先鞭をつけ、同市場でシェアトップを走ったのは、台湾のエイスースが2014年に出した、お手頃価格の「Zenfone」だった。当時は中国ファーウェイ製のスマホといっても、まだ知名度は低かったが、それからわずか3年後の2017年には、エイスースを逆転してシェアの差を広げるまでになっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン