国際情報

親日を巡る旅──日本兵は強かったと語り継ぐガダルカナル島

バラナ村には今も多くの日本軍将兵の遺品が展示されている

 太平洋戦争のなかでも有数の激戦地、ガダルカナル島。多くの犠牲者を出した同島での戦いを現地の人々はいまも語り継いでいた。世界の親日を巡る旅を続けるジャーナリストの井上和彦氏がレポートする。

 * * *
 南太平洋メラネシアに位置する島嶼国「ソロモン諸島」のガダルカナル島──首都ホニアラを置くこの島の名は、大東亜戦争の象徴のごとく、いまでも日本人の記憶に深く刻まれている。

 1942年(昭和17年)7月6日に、海軍設営隊が上陸してルンガ飛行場(現在のホニアラ国際空港)を設営したのが戦いの始まりであった。

 日本軍の動きを察知した米軍は、翌月の8月7日に1万1000人からなる第一海兵師団を送り込んで飛行場を奪取する。その後、飛行場を奪還すべく日本軍は兵力の逐次投入を続けたが、圧倒的物量を誇る米軍を前に劣勢を挽回できず、犠牲者は増える一方だった。

 以後、1943年(昭和18年)2月7日にタンベア海岸から撤退が完了するまでに2万2000人の日本軍将兵が戦死した。その内の1万5000人が戦病死や餓死だったことは痛恨の極みである。

 補給が重要視されなかったこの戦いでは、前線の兵士たちは食糧もないまま戦い続け、弱った体にマラリアなどの疫病が追い打ちをかけ、数多の将兵が斃れていったのだった。  それゆえに、ガダルカナル島には、「飢餓」の「餓」の文字が充てられ「餓島」と呼ばれた。

 そんなガダルカナルには、島内各地に数多くの慰霊碑が建立されている。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
「参政党パワー」の正体とは(神谷宗幣・代表)
叩かれるほどに支持が伸びる「参政党パワー」 スピリチュアリズム勃興の中で「自分たちは虐げられていると不安を感じる人たちの受け皿に」との指摘
週刊ポスト
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン