芸能

新作は加藤シゲアキ主演 『犬神家』は『忠臣蔵』と共通点あり

新作は加藤シゲアキが主演する(『犬神家の一族』HPより)

 年末にかけてテレビでは多くのスペシャルドラマが放送されるが、話題作の1つが『犬神家の一族』だ。多くの名優が演じてきた金田一耕助を今作ではNEWSの加藤シゲアキが務める。これまでの『犬神家の一族』を振り返ると、あの時代劇との共通点も見えてきた。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが独自の視点で分析する。

 * * *
 クリスマスイブに放送されるフジテレビの『犬神家の一族』。その予告編を見て感じたのは、『犬神家』はもはや日本の伝統芸能の域に達したということである。

 物語は、那須で財閥と呼ばれるほどの資産を一代で築き上げた犬神佐兵衛の遺産相続をめぐって、奇怪な連続殺人が起こり、名探偵・金田一耕助がその謎に挑むというもの。原作はミステリーの大家・横溝正史。金田一を演じるのは、加藤シゲアキである。

「犬神家」が、「伝統芸能」になった理由の第一は、映画、ドラマ、舞台と繰り返し制作されていること。私はこの11月に新派公演の舞台で「犬神家」を観てきたばかりである。映画では、1976年に公開された市川崑監督の映画『犬神家の一族』がよく知られている。大規模な宣伝、書籍販売とメディアミックス戦略で大きな話題を呼んで映画は大ヒット。ここで金田一を演じた石坂浩二は、次々と横溝作品に主演し、2006年には久々に市川崑監督と「犬神家」のリメイクでも主演して話題になった。

 ドラマではやはり70年代に古谷一行主演の『横溝正史シリーズ』が登場し、その第1弾『犬神家』は、視聴率40%を超えている。その後も、中井貴一、片岡鶴太郎、稲垣吾郎などが金田一を演じた『犬神家』ドラマが放送された。つまり、多くの人はいろんなカタチで「犬神家」を観たことがあるのである。ストーリーもキャラクターも犯人だって知ってるけど、それでも見たい!作りたい! こんな吸引力は、歌舞伎や落語、作品でいえば『忠臣蔵』のような伝統的な名作と同じだ。

『犬神家』と『忠臣蔵』との共通点は、もっとある。オールスター作品にできることだ。『忠臣蔵』では、悲劇の殿様(イケメン)浅野内匠頭を若手スターが演じ、仇討の中心人物・大石内蔵助を大物スターが演じるのがお約束。そして討ち入り四十七士メンバーにも人気俳優が多数出演して、それぞれのファンを総動員できるメリットがある。

 同じく「犬神家」も、金田一だけでなく、怖い顔をした犬神家の三姉妹(松子、竹子、梅子)をはじめ、彼女らの息子たち(白いゴム面を被った佐清や佐武、佐智)、さらには遺産相続のカギを握る絶世の美女、野々宮珠世を誰が演じるか。それだけでも興味深い。ちなみに新作の犬神三姉妹は、黒木瞳、松田美由紀、りょうだ。怖いわ~。この3人ににらまれて、加藤金田一は大丈夫なのか。大丈夫なわけない。

関連記事

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン