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有名アニメ作品の「聖地巡礼」と鉄道、その現状と課題

沼津市仲見世商店街にあるラブライブ!マンホール


 その一方、大洗町の人口は約1万6000人と少なく、ほかの地方都市と同様に人口減少に悩まされている。

 沿線の市町村人口が減少すれば、当然ながら鹿島臨海鉄道の利用者は減る。しかし、人口が増加する兆しは見えない。

 そうした中、鹿島臨海鉄道は交流人口の増加に活路を見出そうとする。ガルパンとのコラボは地域を活性化させる一手段でもあった。

 大洗駅は、作中で頻繁に登場する。それだけに駅構内ではガルパンの登場人物を描いたヘッドマークやポスターなどをあちこちで目にする。また、駅の中にある案内所はガルパングッズで埋め尽くされている。

 さらに、駅を一歩外に出ればガルパンの顔出しパネルも設置されているので、駅で記念撮影をしていくファンが多い。大洗に足を運ぶだけではなく、ガルパンに登場する北浦湖畔駅を訪問する巡礼者もいる。

 ガルパンの聖地になっている鹿島臨海鉄道は、遠方からの巡礼者に満足してもらおうと工夫を重ねている。特に、好評を博しているのが、記念入場券の販売だ。

「弊社では硬券の入場券を販売し、日付の入った記念スタンプを押しています。この記念スタンプはガルパンのキャラクターを絵柄にしているのですが、月替わりで絵柄を変えるようにしています。そのため、それを御朱印のように集めているファンも多いようです。また、日付が入るので、推しメンの誕生日に訪れるファンもいます」(同)

 アニメと鉄道のコラボでは、2019年1月から劇場版が公開された「ラブライブ!サンシャイン!!」(ラブライブ!)も話題になっている。同シリーズは2010年からマンガ連載を開始し、すぐに人気に火がついた。

 スクールアイドルという部活動で全国大会「ラブライブ!」に出場する物語である同作は、架空の高校・浦の星女学院高校が舞台になっている。その所在地とされているのが静岡県の沼津市と三島市の一帯だ。

 沼津は鉄道の街としても知られる。過去には機関区があり、SLの名所でもあった。沼津駅は今でもその名残をとどめており、駅南口にはSLの煙室扉と動輪が展示されている。

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