国内

中国産食品の衛生面は改善、韓国はなぜ旧態依然のままなのか

韓国産「汚染食品」主な違反事例リスト(2018年度)

「健康に害を及ぼす外国食品」といえば、中国産食品を思い浮かべる人も多いだろう。しかし最近は韓国から輸入される食品に、あらゆる健康被害が報告されている(表参照)。魚介類から飲料、加工食品など、今や韓国食品は我々の身近にあふれている。その危険性は「知らなかった」では済まされない。

 2018年度の韓国食品の違反リストでは「オキシテトラサイクリン」という物質の、基準値以上の検出が目立つ。食品問題評論家の垣田達哉さんはこう語る。

「抗生物質の一種で、ひらめやますなど養殖の魚が感染症にかかることを防ぐために投与されます。そもそも感染症が発生するのは海や川の衛生面が悪いからで、この抗生物質を使う時点で養殖環境の悪さがうかがえます」

 オキシテトラサイクリンは、食べ続けると人体に影響が出る可能性がある。

「抗生物質が残留している食品を食べ続けると、体内に耐性ができてしまい、いざ病気になった時に病院で処方された抗生物質が効かなくなる恐れがあります」(垣田さん)

 韓国みやげの定番で、日本人のファンが多い「韓国海苔」も危ない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんはこう解説する。

「韓国の海苔は本来、非常に薄くて色が淡い。色合いを濃くするために発がん性のあるタール色の合成着色料を利用する業者が多いです。また、海で養殖する網から簡単に海苔が離れるように流動パラフィンという化学物質を使い、味付けのために化学調味料を用いている漁業者もいるため、人体へのリスクが懸念されます」

 気がかりなのは、今後、韓国海苔の輸入枠が拡大されることだ。日本政府は、現在13億5000万枚輸入している韓国海苔を2025年に27億万枚まで増やすことを韓国政府に約束している。

 国産より3~5割安い韓国海苔は、すでにコンビニのおにぎりの材料や味付け海苔として流通しているが、さらに増える恐れがある。

「危ない外国食品」というと中国産を思い浮かべる人も多いだろうが、今や韓国産も充分に注意が必要だ。

「2008年に中国製の冷凍餃子を食べた日本人10人が食中毒を起こした『毒餃子事件』以降、中国国内では意識改革が進んで衛生面が改良され、日本側のチェック態勢も厳しくなりました。一方、韓国では大きな事件が起きていない分、衛生面の取り組みの甘さが旧態依然です。韓国の保健所が充分に機能しているとは思えません」(垣田さん)

 正しい知識を身につけ、おいしいグルメと危険な食品を見分けたい。

※女性セブン2019年2月14日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン