国際情報

「日本は文在寅政権と妥協する必要はない」と元駐韓大使

平壌の空港で花束を受け取る文在寅大統領 代表撮影/Pyeongyang Press Corps/Lee Jae-Won/AFLO

 日韓関係に、かつてない暗雲が漂っている。元駐韓大使の武藤正敏氏は、朴槿恵氏が当選した2012年韓国大統領選の期間中、有力な対抗馬の一人だった文在寅氏に面会したことがある。直接対峙した経験から、「文在寅大統領の“反日”は歴代の韓国大統領とは質が異なる」「文大統領の反日姿勢は、韓国の歴代大統領と比較しても異様である」と指摘する。

 * * *
 文大統領は日本を無視する一方で、なりふり構わず対北宥和政策を続けている。

 昨年は、南北合意と称して、軍事境界線の非武装地帯(DMZ)に設置している監視所22か所を撤去した。さらに、軍事境界線近くや周辺の海域では、軍事演習を中止している。世界中が、北に核開発をやめさせるために圧力を強めているなかで、韓国だけが丸腰になろうとしている。

 文大統領とその支持者たちは「北の核が同胞に向けられることはない」と無邪気に信じているが、自国民に銃を向け、実の兄を毒ガスで殺害する金正恩氏の恐ろしさをまったくわかっていない。

 朝鮮戦争の後も激しい対立が続いた南北間で、1972年に両首脳が平壌とソウルを極秘裏に往復して会談が行われたことがある。金日成氏の実弟の金英柱氏を交渉の相手とし、「武力行使によらず平和的に南北統一を果たす」とする南北共同声明が発表された。ところが、その裏で北朝鮮は38度線の地下に南へ侵攻するためのトンネルを掘っていたのだ。

 私はその1972年に外務省に入省し、朝鮮語研修のために韓国に渡り、それ以来、外交の最前線で北朝鮮を眺めてきた。その“体感”で言えば、北は核開発を絶対に放棄しないし、大人しくしているときほど危険だ。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン