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2019.03.02 16:00  週刊ポスト

九州新幹線全線開業CM、制作者が実感したネット時代の発信力

数々の名作CMを手がけた古川祐也氏(撮影/山崎力夫)

「九州にとってみれば、半世紀に一度のビッグイベント。当時日本は不況で元気がないということになっていましたが、九州の方たちは普通に明るくエネルギーにあふれていました」──2011年の九州新幹線の全線開業をそう振り返る古川裕也氏。CMを企画するにあたり、半世紀近く前の歴史的なキャンペーンが念頭にあったという。

「まず思い浮かべたのは、1970年代後半に、荒廃したニューヨークを再生しようとした『アイ・ラブ・ニューヨーク』キャンペーン。乱暴に言うと、あれを九州でやればいい、と直感的に思いました。

 フランク・シナトラなどのセレブやブロードウェイ・ダンサーたちが、『アイ・ラブ・ニューヨーク』と歌い踊る。九州で創るべきはCMというより、一つの大きな祭りではないかと思いました。ただ、ニューヨークと違うのは、タレントは起用せず九州の人々だけで構築すること。ノンフィクション、つまり実際に今起きていることでCMを成立させようと考えました」

 こうして「新幹線を九州の人たちが祝福する」というアイデアが生まれた。コピーはシンプルに「祝!九州」。撮影用の試運転では、新幹線の車内と沿線の各所に数十台ものカメラを設置。鹿児島中央駅から博多駅までの約250キロを縦断する、一発撮りでのCM撮影が実現した。

「撮影日は2月20日。沿線には2万人くらいが集まってくれました。僕が想像していた100倍くらいの熱量。最初から最後まで九州の人たちのポジティブなラテン気質に救われました」

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