小結・御嶽海は貴景勝に4連勝中(時事通信フォト)
この3人は今場所も貴景勝にとっては“鬼門”として立ちはだかる。プレッシャーのかかる大関取りの場所だけに、苦手意識は大敵だ。
「過去に対戦が一度しかない遠藤(前頭1)も、初顔合わせでは前に出るところを右に変わられ、引き落としで敗れている。今場所の対戦でその時の“悪いイメージ”にとらわれると、貴景勝が思い切って前に出られない恐れもある。遠藤も左四つの相撲が取れる力士です」(担当記者)
幕内で2番目に小さい175cmという体格の貴景勝にとって、「四つ相撲」とともに、難敵となるのが、「巨漢力士」だ。ブラジル出身で195cm、204kgという巨体の魁聖(前頭1)にも、苦戦を強いられることが多い。
「貴景勝が鋭く踏み込んでも、がっちり受け止められて動きが止まってしまう。そこから反撃に出られると、一気に押し込まれる展開になる」(同前)
こうした難敵たちと、貴景勝がどのタイミングで対戦するかも注目となる。序盤に連続してぶつかることになると、思わぬかたちで連敗を喫し、早々に大関取りが遠のく可能性もある。
「(貴景勝の師匠である)“貴乃花へのスポットライト”を避けたい協会側が、序盤の早い段階で四つ相撲が得意な正代(前頭3)あたりを貴景勝にぶつけるのではないかと、場所前から関係者の注目を集めていた。取組編成の責任者が、協会内の確執がドロ沼化するなかで貴乃花親方と袂を分かった阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)というのもある。協会トップの八角理事長(元横綱・北勝海)と同期ということもあり、元・貴乃花部屋の力士たちにとって因縁の相手だけに、様々な憶測が飛び交っている」(若手親方)