「息子たちは、うち(ユニバーサル)の幹部らから何度も『岡田は近々逮捕される。逮捕されれば会社も潰れる。だから、逮捕前に排除しないといけない』と言われていたようです。一種の洗脳ですが、なぜそんなことを信じたのか……、僕なりに悩みました。娘は僕の元に帰ってきてくれましたが、息子は連絡すら取れませんでした」
極めつきが、岡田の元に帰って来た娘と、離反した息子が一昨年、東京地裁でそれぞれが原告、被告となって争う裁判である(東京高裁にて係争中)。長男が長女に対し株式の信託譲渡契約に関する訴訟を起こしたのだ。目の前で血を分けた子供二人が立場を違えて争っているのを、父は目の当たりにする。
「なぜなのか? なぜ息子はあそこまで頑ななのか? 本当に考えました」
岡田は自らの半生を振り返るように押し黙った。
「僕は前妻ががんだったことにも気づかず、働きづめでした。“母の側にいてくれ”という息子の願いを聞こうともしなかった。そうしたことが息子をあそこまで……僕がいけなかったのかな……」
押し黙った岡田が突然、突っ伏すようにして泣き始めた。泣きながら岡田は、自らをして「万死に値する」とまで口にした。
◆「こちらから仕掛けていく」