骨肉の争いはいまや海外の捜査機関まで巻き込んでいる。昨年7月30日、インターネットニュースには“岡田、香港で逮捕”の情報が溢れた。香港の独立捜査機関(ICAC)から逮捕状が出たという内容だ。岡田に脱税や汚職の嫌疑があるとICACに告訴したのは「ユニバーサル」の100%子会社「TRA」と見られている。一昨年まで岡田が一人代表を務めていた会社だ。現在は岡田に代わり、かつての部下、そして岡田の妻が役員となっている。つまり、妻が夫を訴えた形だ。
「逮捕といっても勾留されるわけでもない。パスポートは一時押さえられたが、2月22日、その捜査機関から無罪潔白の判断を受けました。真っ白です。ところが、今も変わらずネットでは“岡田、逮捕”の情報が流れている。意図的な情報操作と勘繰らざるを得ません」
昨年10月には、突如として岡田の妻が香港で離婚訴訟を起こした。一昨年の離反劇からおよそ1年。何かのタイミングを計ったような離婚訴訟だと岡田は言う。
「日本では離婚訴訟で特有財産の分与は認められないけども、香港ではそれを認めている。だから、香港で起こしたんですよ。ずる賢いというか、恥を知らないというか……」
特有財産とは、婚姻前に保有していた財産のこと。後妻である現在の妻にとって、特有財産権の分与を認める香港での訴訟のほうがメリットがあったのだと、岡田は考えている。長男に対して示すような未練を、妻には見せることがない。
岡田の周辺には訴訟がまだ山のように積み上げられている。が、それに怯む様子はない。
「まだアジアでのカジノをあと2つはやりたい」
そう語る岡田の精神力は凄まじい。香港で身の潔白を証明されたことで、これを反転攻勢のチャンスと見ているようだ。