「今回は政治部と社会部、大阪や西部本社から元号特集の応援記者を呼んで総力戦のシフトです。事前に新元号を掴んだ場合、早く打つと別の案に差し替えられるリスクがある。安倍首相にせよ菅官房長官が発表するにせよ、仮に午後1時の記者会見開始であれば、選挙速報のように1時ジャストに会見場に現われた途端にネットニュースで流すというやり方があるのでは」
一方の朝日ベテラン記者の話だ。
「活字しかなかった前回の改元と違って、今回はネットニュースで速報できる。安倍総理か菅官房長官が執務室から出て、会見場に向かうまでの数分間が勝負と考えている。部屋を出た瞬間に官邸内部の人間にアプローチして新元号について裏を取り、発表2~3分前に報じることができればスクープです」
もっとも、官邸側が心配しているのは、「有識者による元号懇の後、安倍首相が天皇陛下と皇太子殿下にお伝えする前に、最終候補に残っている原案の3案はこれだと報じられると、そこから決め直すのは非常に難しくなる」(内閣官房関係者)
4月1日は、安倍首相にとって「平成の一番長い日」になる。
※週刊ポスト2019年3月22日号