「当初はジャパニーズホラーをやろうと思っていたんです。その際、映画『リング』の中田秀夫監督が日活ロマンポルノ出身という話題が出て、ロマンポルノも面白いよねという話になって。名監督を多く輩出している点から大義は立つ。ポルノを扱ってはいけない理由もどこにもないので、『じゃあ真剣にとことん掘り下げよう』となりました」
第1作の女優・白川和子ほか、出演作が警視庁に摘発された田中真理が引退後約35年を経て登場。この回に限らず、事件や出来事から数十年の沈黙を破って登場する証言者も少なくない。
NHKには『NHKスペシャル』を筆頭に、様々なドキュメンタリー番組があるが、それらと『アナザーストーリーズ』の立ち位置は明確に異なるという。
「ど真ん中はNHK総合に任せて、僕らは端っこを行くと決めているんです(笑い)。面白さと知られざるドラマを求め、誰も行かない端に立って今後も攻めていきます」(久保氏)
取材・文■上田千春
※週刊ポスト2019年4月5日号