◆小池百合子という政治家が信用されない理由
──昨年11月、小池知事が高島都連幹事長に陳謝したと報じられたが、その際にも二階幹事長が同席していた。
高島:あの時も二階先生から会食のお誘いがあり、伺ってみると小池知事も同席するということでした。会うと小池知事からは、都の税収減につながる国主導の地方税の再分配に対する“反論”に協力してほしいと依頼をいただいたが、僕はこう答えたのです。
一つは、都議会自民党は石原慎太郎知事時代から、地方の自治体のための物産展を開くなど“東京独り勝ち”とならないよう、さまざまな努力を積み重ねてきた。これに対して小池さんは都連副会長や党本部の総務会長など政府・与党の要職を歴任してきたにも関わらず、その間、偏在是正の問題について、ただの一度も、コメントされたことはありません。
もう一つ、37人の落選した仲間の思いを背負っているから、僕は裏切ることはできません。小池知事は『高島さん、それはこっちに置いといて』といわれたが、そうはいかない。2年間、好き勝手に批判をしておいて、今度は仲良くしましょうよと言われても、そうですかとは言えませんよ。
一昨年10月に希望の党を設立した小池知事は、全国津々浦々に候補者を擁立した。公明党の太田昭宏元代表の東京12区、関係が深い鴨下一郎衆院議員(現都連会長)の同13区を除き全国の選挙区に候補を擁立して安倍政権と対峙した。
結果はご承知の通りでしたが、横っ面を殴られた方の自民党は忘れないわな。税制の話になった途端に、「議会と協力は不可欠だ」とかいって、寄ってこられても信用できないということです。
◆現職再選支持で始まる
──自民党が候補者擁立に難航した場合、再選を目指す小池氏の推薦に回る可能性は?
高島:まず100%ないでしょう。仮にそういう判断を強いられるならば、僕は都連幹事長を辞めますよ。落選した37人も、現職にある23人も、前の幹事長の内田茂も同じ考え方だと思う。もちろん小池さんが憎いわけではないが、人間としてどこまで信用できるかと思うとね。やはり自分の生き方でいえば嘘つきたくないわけ、口先だけで誤魔化したくない。
──2000年、石原都知事(当時)に請われた野中広務氏が都議会自民党の「三羽烏」と称された川島忠一、内藤尚、内田茂の3人を招いて築地の料亭で引き合わせ、それがきっかけとなって議会が承認しなかった浜渦武生副知事の人事が動き出したという逸話があります。今回も、構図としては国政の二階幹事長が仲介役という意味では一見、似た構図。しかし細野氏の自民党入りなど一連の行動と並べてみると、動機はやや異なり、二階幹事長の事情から小池氏と都議会自民党の間を取り持っているようにも見えなくもない。
高島:それはしようがないと思っているの。ただ来年になっても二階さんが同じことを言ったらば、その時は幹事長室に行って喧嘩しますよ。役職でなく人間としてつきあっているわけで、その喧嘩を受けてくれるのが、あの二階さんという人。『高島お前よ、我慢しろよ』ということになるならば、「我慢できません。60人に説明できますか」という話になるでしょう。