その後、アクションやコメディー、オリジナルビデオ『実録・広島四代目』など、幅広く出演。2003年には「Vシネ大賞」も受賞している。15年くらい前は、アウトロー路線なのだと思っていた。そこからトーク番組など、素顔が出る出演が増え、気がつけば、『秘密のケンミンSHOW』で、出身地・奈良の話を熱く語る関西弁ネイティブの面白おじさんに。私はご本人に取材したことがあるが、イメージはまさにこのまんま。それだけに白髪まじりのナチュラルな表情の「白薔薇」のアキラは、加藤雅也進化過程のひとつの完成形に見える。
思えば80年代後期、バブル時期のイケメンは、映画『はいからさんが通る』の阿部寛が数々の変人役で大成し、映画『彼のオートバイ、彼女の島』の竹内力が強面方面で独自の路線を開拓するなど、方向転換で成功している。どちらも基本は面白おじさんである。
次作の朝ドラ『なつぞら』には、70年代のイケメンにして元祖面白おじさん路線を開拓した草刈正雄が出演する。予告編で見た、よれた帽子にヒゲの草刈正雄は、「ちびまる子ちゃん」の佐々木のじいさんみたいだったが、面白おじさんとして、まだ進化しそうな気配もある。さすがだ、先輩…。加藤雅也のおっちゃんも完成形というには、まだまだ早いのかもしれない。観察を続けます。