芸能

加藤雅也、『まんぷく』で見せた「面白おじさん」の進化

ぺりーおぎ

 NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。この半年間。ヒロインの安藤サクラをはじめ、さまざまな役者がこのドラマを支えてきたが、注目を集めた1人は喫茶店の店主・川上アキラを演じた加藤雅也である。もともとはイケメン枠でデビューした加藤の役者としての変貌ぶりについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 そんなわけで、いよいよ大詰めの朝ドラ『まんぷく』。ドラマでは、カップ麺「まんぷくヌードル」が完成したが、もうひとつ、このドラマで「完成した」と感じるのは、「加藤雅也の面白おじさん」である。

『まんぷく』で加藤が演じるのは、家計が苦しい時期に主人公の福子(安藤サクラ)が働いていた喫茶店「パーラー白薔薇」の店主・川上アキラ。若いころは俳優を目指していたが、関西弁にこだわりすぎて芽が出ず、元女優の妻・しのぶ(牧瀬里穂)とともに店を開いたというアキラの特技(?)は、「サンキューベリマッチや!」など変な英語とものごとをややこしくするアドバイス。

 福子の母がやっと退院してほっとしたところに「いや…うちに帰っても安心はできん」などと不安をかきたてるようなことを言い続け、しのぶから「また縁起でもないことを!」とにらまれる。アキラのノリは完全に関西の面白いおっちゃん。アキラとしのぶは、夫婦漫才みたいだ。
 
 近年の加藤雅也だけを見ている人には、『アンフェア』でド派手なベストを着た検視官・三上薫や映画『真田十勇士』で外見は立派なのに実は腰抜けの真田幸村など、もともと面白おじさん路線一筋の俳優だと思われそうだが、実際は、彼は30年で激変した俳優といえる。

 もともと1988年、モデルとして『メンズノンノ』創刊号にも登場、俳優デビューした当時の路線は、もちろんイケメンにつぐイケメンである。犬好きピープルの涙をしぼった映画『マリリンに逢いたい』(1988年)は、愛する彼女犬に会うため、沖縄の海を毎日3キロも泳いで渡ったというワンコの物語だったが、その青い海と空をバックに白いシャツとジーンズ、スニーカーで爽やかな笑顔を見せていたのが、加藤雅也だった。(当時の芸名は加藤昌也)。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン