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名門・灘高教師も太鼓判 囲碁で「東大脳」が作られるワケ

「右脳」と「左脳」を両方使う囲碁

「右脳」と「左脳」を両方使う囲碁

 頭が良くなる習い事として、「囲碁」が注目されている。韓国や中国、台湾では、学力向上のために子どもに囲碁を習わせるのが定着しており、日本でも徐々に広がりつつあるという。なぜ囲碁が知育にいいのだろうか。囲碁観戦記者の内藤由起子氏が手解きする。

 * * *
 まず、囲碁というゲームについて簡単に説明しよう。囲碁は、黒と白が戦い、盤上の領土を広く囲ったほうが勝ちという陣地取りゲームだ。しかし、ただ陣地を広く打っていけばいいのかというと、そう単純なものではない。

 同じボードゲームの代表的なものに、将棋がある。頭を使い、脳の発達に有用だということは同じだが、ゲームの性質が違うように、思考の質が違う。

 将棋は盤上に駒が並べられ、それぞれ駒の動きが決まっている。王様を取れば勝ちというゲームだ。序盤の数十手は(AIによる解析によって)いくつかのパターンが決まっていて、中盤からが勝負。王様を取る目標に向かっていくために、深い読みが必要になり、論理的思考を司る「左脳」を主に使い、フル回転させることになる。

 一方、囲碁はフェイズごとに頭の使いどころが変わってくる。

 盤上に何もないところから打って、骨格を組み立てていく。自由度が高いので、序盤で20手も進めば同じ碁は表れないほど変化が多彩だ。図形や映像の認識、イメージや空間認識を司る「右脳」を主に使う。

 中盤、石の生存に関しての戦いなどでは、読みも必要になってくる。そうなると「左脳」の働きが必要になる。しかし、ただ相手の石を取ればいいとも限らない。捨てるほうがいい可能性もあり、読んだ先の形勢判断力が大事になってくる。右脳と左脳、両方を使っているイメージだ。

 そして終盤は地の計算。どこに打つのが一番地(陣地の大きさ)が得なのかを計算するのは「左脳」。

 以上のように、碁を打っていると、知らず知らずのうちに脳のいろいろなところを使うことになるのだ。

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