内田教諭は東京の御三家・麻布高校にも勤務していたことがあるが、そのときも成績がずっと伸び悩んでいた生徒が囲碁部で3年の夏まで活動して、その後ぐんぐんと成績が伸びて現役で東大や京大に合格したケースがよくあったという。
「囲碁部を最後までやりきった生徒のほうが後で伸びるというのは、他校の囲碁部顧問の先生との共通認識ですね。抜群の集中力で爆発できる力がついているのです」(内田氏)
東大の囲碁部の学生に聞くと、多くが「囲碁より受験のほうがラクだった」という。確かに、定石や布石を覚えたり、プロの碁や自身が打った碁を並べ直したりする記憶力がつけば、受験勉強の暗記は易しく感じるだろう。
また、囲碁は、他のスポーツなどと違って試合中にコーチのアドバイスを受けられない。すべて自分で考えて最後まで判断し続けなければならない。そのためには脳の広い範囲の鍛錬が必要で思考力がつく。自然と頭が国立型の“東大脳”になるため、囲碁が知育に大いに役立っていると実感する経験者は多いのだ。
楽しいゲームで頭が良くなる囲碁を子どもに習わせるもよし、頭の体操で大人がやるのもよし。トライして実感してみるのをお勧めしたい。