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2019.04.01 07:00  週刊ポスト

日本の医療の実態 延命治療で管だらけの最期迎える

やるか、やらないか、それが問題だ

 決して他人事とは思えない問題だ。東京・福生病院で腎臓病患者の女性(44)が人工透析中止を選び、意思確認書に署名した1週間後に死亡した。今年3月、そのことが報じられると、病院が〈死への誘導〉をしたと批判され、意思確認や手続きが適切だったのかが問題視された。女性は亡くなる前日に「透析を再開したい」という趣旨の発言をしていたという夫の証言もあった。

 延命治療を続けるのか、やめるのかという判断は非常に難しい。そもそも延命治療とは、何か。終末期医療に詳しい長尾クリニック院長の長尾和宏医師はこう解説する。

「病気や事故、老衰などで、回復の見込みのなくなった“終末期”と判断された患者の命を少しでも延ばすために人工的な処置を施すのが延命治療と呼ばれます」

 一般に、腎不全の患者への「人工透析」、呼吸困難な患者への「人工呼吸」、そして口から栄養を摂ることが困難な患者への「人工栄養」が3大延命治療とされる。高齢者に多いのは、人工栄養のうち鼻にチューブを通して流動食を胃に流し込む「経鼻胃管」や腹部に開けた穴から直接胃に栄養を送る「胃ろう」である。長尾医師が指摘する。

「医療の大原則は『患者の意思の尊重』ですが、日本は先進国で唯一、延命治療を差し控える、ないし中止してほしいという患者の意思が法的に担保されていません。だから病院側はのちに遺族から訴えられるリスクを回避するため、患者に延命治療を勧める傾向がある。本人の意思やQOL(生活の質)よりも家族の意向を優先して亡くなるまで延命治療を続けざるを得ないのが日本の医療の実態です」

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