国内

高齢者狙う詐欺の最新手口 次は「オリンピック詐欺」流行か

詐欺犯はそのときどきの時事ネタを絡めた嘘の話を持ち掛けてくる(写真はイメージ)

 今年2月、東京都在住の50代女性が、「海外に新しい国をつくるから資金援助してほしい」ともちかけられ、5000万円を騙し取られたという詐欺事件が報じられた。こんな荒唐無稽な話に騙される人がいることに驚くが、詐欺犯らの話が巧妙だったのだろう。

 これは投資詐欺の一種だが、最近の特殊詐欺は巧妙かつ狡猾になり、人の虚を突く想定外の手口で騙しにかかってくる。警察庁の統計によれば、平成30年の特殊詐欺の認知件数は1万6493件、被害額は約356億8000万円に上るという。

 特殊詐欺などの被害に遭わないようにするためには、その手口を頭に入れておくことが第一歩となる。高齢者を狙った実際の事件について、その最新手口を紹介する。金の受け取り手段を、ATMを利用した銀行振り込み以外の方法に変えてきているのが最近の傾向だ。

●カードすり替え

 警察や金融庁、金融機関を名乗る人間が電話をしていて、「個人情報が漏れて、口座からお金が引き出されている」と告げる。その後、家にやってきて、「キャッシュカードと暗証番号を記入した紙を封筒に入れてください」と指示。隙を見て封筒をすり替え、「封筒を開けないように」と言い残して帰る。

 今年1月には、神戸市垂水区の80代女性がこの手口で400万円を騙し取られた事件が起きている。最初に、地元の警察署員を名乗る女が電話をかけてきて、「あなたの個人情報が漏れている。金融庁の職員を向かわせる」と伝え、その後、金融庁の職員を名乗る男が自宅にやってきて、キャッシュカードを封筒に入れて保管するよう指示。不意に、「ペンを忘れました。貸してくれますか」と言いだし、女性が奥へペンを取りに行った間に封筒をすり替え、封筒を開けないように伝えて帰っていく。

 キャッシュカードと暗証番号を盗み取り、被害者が気づく前に出金してしまうわけだ。次の手口も同様に、キャッシュカードを盗んでいく手法である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン