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2019.04.20 07:00  NEWSポストセブン

なぜ名優+同性愛? タブーなき進化を続けるテレ東“飯テロ”

 では、なぜ“飯テロ”の人気は続き、テレビ東京は制作し続けているのでしょうか?

もともと“飯テロ”の人気に火がついたのは、「深夜に食べたら太ってしまう。体に悪そう」なものをおいしそうに食べまくるシーンの魅力から。「禁止されるほどやりたくなる」カリギュラ効果という心理現象によるところが大きいと言われています。

 その効果は、『きのう何食べた?』なら西島さんや内野さん、『忘却のサチコ』なら高畑充希さんなど演技力のある俳優が出演することで、さらにアップ。バラエティーの画一的なグルメレポートに視聴者が飽きている中、名優たちの食べる演技はそれだけで説得力があるのです。

 また、バラエティーのグルメレポートは「タレントたちが番組の中で食べる」という図式ですが、ドラマの食事シーンは「登場人物(一般人)が日常の中で食べる」という形で感情移入しやすいところもポイント。「料理をおいしそうに撮る、食べている人を美しく撮る」という技術的な面でも、ドラマならではの技術が光っているのです。

 さまざまなタイプの作品が受け入れられてきたように、“飯テロ”は視聴者のニーズが高く、『きのう何食べた?』のヒットを見ても、しばらくは下がりそうにありません。

 今後は、『孤独のグルメ』のようなひたすら食べるものや、『きのう何食べた?』のような社会的なテーマを絡めたものはもちろん、料理やスイーツなどのジャンル、食べる人の職業やシチュエーションは、より細分化していくのではないでしょうか。たとえば、「肉だけを食べ続ける」「調味料にこだわり尽くす」「やたらグルメな小学生子役」の“飯テロ”ドラマがあっても驚かないのです。

 失敗を恐れず、努力を惜しまず、新たなものに挑んでいく。そんなテレ東の深夜ドラマらしさが失われない限り、“飯テロ”はますます進化していくでしょう。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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