国内

高血圧薬はアプローチ異なる5種 薬を替えて症状改善も

アプローチの異なる治療薬がある(写真/PIXTA)

 医師から処方される薬は、病気を治す有力な手段であり、強い味方だ。2017年の厚生労働省の統計によれば、65才以上の3割が6種類以上の薬を処方されているという。しかし、中には薬が原因で新たな悩みを抱える人もいる。東京都に住む鎌田美沙さん(57才・仮名)が声を潜める。

「50代に入ってすぐに高血圧と診断されて薬をのんでいますが、大きな不調はないものの、手足がむくむし、めまいが起きたりするばかりで、血圧の数値もなかなか改善しません。

 しかも『薬の効き目を強める』という理由で、朝の日課だったグレープフルーツジュースを禁止されたのも地味にツラい。これが風邪や花粉症の市販薬だったら、別の薬を試してみようと思いますが、処方薬だと出されたものをのむよりほかにないですよね…」

 鎌田さんのような、持病の薬に対して不満を持つ人は少なくない。しかし、茅ケ崎メディカルクリニック院長の柘植俊直さんは「別の薬に替えることで症状が改善されることはよくある」と言う。

◆高血圧の薬は主に5種類

 血圧を下げる薬である降圧剤は、大まかに分けて5種類。冒頭の鎌田さんが処方されていたのは、「カルシウム拮抗薬」と呼ばれるタイプの薬だ。

「細胞にカルシウムが流れ込む際に血管が収縮し、血圧が上昇するのですが、カルシウム拮抗薬はそれを抑えて血管を拡張させます。

 昔から使用されているため、医師が『このくらい処方すれば、このくらい血圧が下がる』と把握しやすく、それゆえ処方しやすいため、最も一般的な薬です。副作用として、ほてりやむくみ、便秘などが現れることがありますが、いずれも自覚症状を伴うため、本人が気づき、危険な状態に至ることが少ないのが特徴です」

 高血圧薬にはこれ以外に、ARB、ACE阻害薬、利尿剤、β遮断薬と呼ばれるものなどがあり、それぞれ血圧を下げるという目的は同じだが、アプローチが異なる。

「血圧を下げる」という1つの目的に、これだけの種類の薬があるとなると、どのような基準で選んでいるのかという疑問がわく。

「どの薬も、それぞれ長所と短所がありますから、医師は患者さんの状態によって処方を決めます。たとえば夏には高齢者は脱水に陥りやすいので利尿剤の使用に注意する、喘息がある人にはβ遮断薬は出さない、などが挙げられます」(柘植さん)

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン