また、高血圧の薬は患者ごとに効く、効かないの差が出ることがある。処方しても効果がみられなかったり、副作用がきつかったりする場合、アプローチの異なる別の薬に替えたり、処方されている薬を減らして食事や生活習慣の改善に力を入れることもあるという。
「私が診た中には、多数の薬をのみすぎたせいで副作用が強く出ている人もいました。80代の女性だったのですが、高血圧のためカルシウム拮抗薬を出され、副作用で手足にむくみが出てしまった。
しかし、本人はそうと知らずに『むくみに悩んでいる』と告げたところ、“腎機能に問題がある”と診断されて利尿剤が追加で出されていた。私のところでカルシウム拮抗薬の量を減らす処方をしたところ、むくみは改善されました」(柘植さん)
高血圧症の患者の中には、「副腎」という臓器から分泌されるホルモン「アルドステロン」の異常が原因である人が5~10%ほどいることが近年、わかってきた。そのタイプの患者は、手術で高血圧を治せるほか、“第6の選択肢”である「抗アルドステロン薬」の効果が高い。
同じ病気でも、原因や体質は人それぞれ違う。薬も違って当然なのだ。
※女性セブン2019年6月6日号