芸能

原田知世、三上博史…トレンディ俳優が今、再び脚光のワケ

『あなたの番です』に田中圭とW主演する原田知世

 今期のドラマを見ながら、「懐かしい」と思っている世代の人もいるのではないか。というのも、バブル経済の真っただ中にトレンディドラマで活躍した俳優が多く出演しているのだ。その背景についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 さて、世の中の田中圭ファンは、このドラマを歓迎しているんでしょうか? つい問いかけたくなる『あなたの番です』(日本テレビ系)。

 あるマンションの住人たちがふざけて始めた「交換殺人ゲーム」に従って(?)、本当に次々人が死んでいくという恐ろしい展開のこのドラマ。田中圭は、新婚カップル、手塚菜奈(原田知世)の夫・手塚翔太役でW主演している。あれ? 原田知世といえば、朝ドラ『半分、青い。』では、谷原章介の妻で、佐藤健のお母さんでしたよね? それが田中圭と新婚? そうです。この夫婦は、妻が49歳、夫が34歳の年の差カップル。

 いつも「翔太くん」「菜奈ちゃん」と呼び合い、事件の緊張感が高まる中、妻が「気をつけてね」と心配すれば、夫は「菜奈ちゃんもね」と見つめ合って、玄関でチュー。食事をすれば「食欲の次は」と夫が妻を追いかけてベッドーGO! これだけわかりやすいいちゃいちゃシーンも今どき珍しい。田中圭ファンのみなさんの心中は如何に!?

 原田は1987年にはトレンディ映画とも呼ばれた『私をスキーに連れてって』、1989年には『彼女が水着にきがえたら』に主演。昭和、平成、令和と時をかけて主演を続けている。

 原田だけでなく、最近のドラマを見ていると、「バブル期の俳優たちは強い」ことがよくわかる。

『私をスキーに~』の相手役だった三上博史は、現在、『日曜劇場 集団左遷!!』(TBS系)で、福山雅治を締め付けている。『集団左遷!!』第3話には、バブル期トレンディドラマの女王とも言われた浅野ゆう子がビューティサロンの女性社長役でゲストに。あまりの迫力に福山ら銀行マンたちもうっかり巨額融資してしまいそうであった。

 また「24時間戦えますか」というバブル期を象徴する名キャッチコピーの栄養ドリンクCMで一世を風靡し、ドラマ『日本一のカッ飛び男』などに出演した時任三郎も、今期、山下智久主演の『インハンド』(TBS系)でカギを握る研究者役で出演。7月からの新月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)では、上野樹里演じる監察医の父役だ。

 そして、驚いたことに16日に放送される武田鉄矢主演『水戸黄門』(BS-TBS)は浅野温子がゲスト。バブル期に浅野ゆう子とともにW浅野の名で注目された浅野温子が、『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)で武田鉄矢と共演したのは1991年。武田がトラックの前に飛び出し「僕は死にましぇーん」と、彼女に思いを伝えるシーンは語り草だ。後に『101回目のプロポーズ』が時代劇舞台になって博多座で上演されたときには、腰が抜けそうになった(そして観に行った)が、ドラマでの共演は『水戸黄門』が28年ぶりという。

 バブル期の俳優の強さはどこにあるのか。一番大きいのは、やはり圧倒的な知名度である。バブル期までは、十代から二十代、三十代、その親世代までドラマ出演俳優の顔や名前をみんなが知っていたのだ。現在のように新進の劇団系や若手お笑い系など、知る人ぞ知る出演者、親世代にはほぼ判別不可能な出演者による深夜ドラマなどはほとんどなかった。

 バブル期の俳優が出ることで、人口が多い当時のドラマ視聴者世代にはおなじみ感が持ってもらえるし、敷居が低く感じられることは事実。鉄矢は老けたけど、浅野温子は変わってないわ~。放送前からバブル期視聴者のこんな声が聞こえてきそうである。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン