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2019.06.18 11:00  週刊ポスト

なぜ日本のグループ・サウンズはビートルズになれなかったか

大人気だったオックス(撮影/小学館『女性セブン』)

 1960年代後半から1970年代前半にかけ、グループ・サウンズ(GS)は一世を風靡した。元々は輸入文化であった“エレキ”の音楽、そして欧米のボーカル&インストゥルメンタル・グループの模倣から始まり、ビートルズ来日後には数々のグループがデビュー。「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」「ザ・スパイダース」「ザ・タイガース」「ザ・テンプターズ」……年3回開催された「日劇ウエスタン・カーニバル」はGSの祭典と化し、若者の心を鷲掴みにした。しかし社会現象とまでなったものの、GSブームは短命に終わる。あの熱狂と興奮は何だったのか。メディア文化論が専門でGSシングルレコードのパーフェクトコレクターでもある稲増龍夫・法政大学教授が綴る。

 * * *
 グループ・サウンズ(GS)は、1960年代半ばに、ベンチャーズらによるエレキブーム、ビートルズやローリング・ストーンズに代表されるロックブームに触発されて誕生した音楽ジャンルで、その出自は、紛れもなく洋楽のコピーであった。実際、初期のGSのレコードは各レコード会社の洋楽レーベルから発売されていた。

 しかし、時をおかずに熱狂的ブームが起き社会現象化するにつれ、従来の歌謡曲と融合し、独自の美学を持ったジャンルとして定着していった。1966、1967年頃のピーク時のレコード売り上げはビートルズを遥かに凌駕し、特に若い女性ファンたちの熱狂は現代のジャニーズファンと遜色なかった。

 それだけの盛り上がりを見せたGSであったが、そのブームは1970年を挟んで5年ほどしか持続せず、今では「時代の徒花」として、おじさんたちがカラオケで歌う「懐メロの定番」扱いである。流行とはしょせんはかないものと言ってしまえばそれまでだが、同時代のビートルズが、今や「20世紀を代表するポピュラー文化」として神格化されているのとは大違いである。

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