対して香山は均等法世代としての「雅子さん」への自身の共感を踏まえて、皇室の女性たちはこの国に生きる女性たちの「写し鏡」であり、それ故に「誰もが皇室にはいつまでも続いてほしい」と願っている、と結論する。

 象徴天皇は「国民の総意」という検証不可能な意志とも感情とも言い難いものに憲法上根拠付けられているが、しかし、自己像の仮託による共感が天皇制を支える根拠であるというなら、かつての戦争時の天皇への感情的没入とそう距離はない気が僕にはする。天皇という制度が何であれ国民の私の感情移入に支えられることが妥当なのか、それが気になる。

※週刊ポスト2019年6月28日号

皇室女子 “鏡”としてのロイヤル・ファミリー

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