「選挙が近いので何らかの冊子が(党本部から)配布され、支援者や無党派の方々に配ったりすることはあります。でもこの冊子はあり得ない。自民党はフェアな政党のはず。“何者が作ったのかわからない冊子を選挙演説の参考にしなさい”というのは、私が好きな自民党がやることではない。
選挙だから野党を攻撃するのは当然だが、野党を支持する有権者にも自民党を支持してみようかなと思わせることも大切なこと。いかに野党を大事にし、その後ろにいる国民に納得してもらうかを昔の自民党は実行してきました。それがこの冊子のように、“自民党だけ、安倍政権だけが正しい”なんて言うと国民を分断するだけ。政治家のイラストで人格攻撃をし、誹謗中傷、侮辱に近い内容です。これを参考に若手議員が演説をしたら大変なことになりかねない」
自民党本部に「演説用資料」作成の経緯や関係などについて尋ねると、
「大手新聞の社説やコラムのように説得力のある内容であることから、これらの記事をまとめた冊子があるということで、通常の政治活動の一環として、参考資料として配布したものであり、テラスプレスの運営等には関与しておりません」
とだけ回答した。
安倍首相への問責決議案で野党にドスを利かせた三原じゅん子参院議員が目にしたなら、自民党にも「恥を知りなさい」と言うだろうか。
※週刊ポスト2019年7月12日号