国内

上皇陛下、がんサバイバーとしての象徴的振る舞いを示される

今年6月、都内のテニスクラブを訪問(撮影/横田紋子)

 張り詰めた空気の診察室。医師が検査結果をもとに患者へ「がん」を告知しようとしている。医師と向かい合われているのは、上皇陛下。隣には、心配そうに寄り添う美智子さまのお姿――。両陛下はどのようにがんと向かい合い、がんを克服されたのか。

 日の丸の旗と歓声に埋め尽くされた京都市東山区の泉湧寺にモーニング姿の上皇陛下とロングドレスをまとった美智子さまがお出ましになったのは、歴代天皇に退位を報告されるためだった。

 泉湧寺に隣接する孝明天皇の陵墓、その後、伏見区にある明治天皇の陵墓に参拝されたことによって、退位に伴う一連の儀式は終了した。

 現在、上皇陛下は公務から離れられ、皇居内の生物学研究所で専門のハゼの研究を続けられたり、美智子さまと共に都内のテニスクラブをお忍びで訪問されたりと、日々を慈しむように過ごされている。おふたりにとってテニスは共通の趣味で、ご結婚前に親交を深められた“思い出のスポーツ”でもある。在位中も忙しい公務の合間をぬって、何度もテニスコートに足を運び、汗を流されてきた。

 翻って、医師の目線で見ると、テニスは“趣味”以上の意味を持つという。医師で国立がんセンター名誉総長の垣添忠生さん(78才)が語る。

「上皇陛下がテニスを続けられた理由の1つは、2003年に受けた前立腺がんの治療に伴う、副作用を緩和するためだったのだと思います。実は陛下は、がんの手術や治療を経験し、がんと共に生きる“がんサバイバー”としても、象徴的な振る舞いをされる方なのです」

◆寄り添うお姿は“副作用対策”

 父である昭和天皇は十二指腸がんを告知されないまま崩御なされたが、陛下は前立腺がんを明かされた。昭和の時代にはまだ珍しかった「がん告知」をなさったのだ。そして、2003年の手術後は、すぐに公務に戻られた陛下だが、翌年、腫瘍マーカーの値が上昇し、再発を防ぐためにホルモン治療を開始されたという。

「ホルモン治療の副作用としては、骨密度が低下し、骨粗しょう症や筋力低下のリスクが高まることが考えられます。もちろん、陛下と美智子さまにお伝えしました」(垣添さん)

 それを受けて陛下は、早朝の散歩やテニスなど、日常生活に運動を取り入れ、積極的に体を動かしてこられた。

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン