石原慎太郎・元東京都知事や横綱・初代若乃花らが信者だったことでも知られる「霊友会」も、この10年で信者数は151万人から123万人と2割減。このペースが続けば、10年後には100万人を割り込む。宗教学者の島田裕巳氏はこう分析する。

「そもそも日本の新宗教団体の多くは、先祖供養と病気治しを主な活動として発展してきました。ただし、核家族化や都市化で日本人の先祖供養への意識が薄らぎ、また医学の発達で、病気を宗教に頼って治そうとする人も少なくなった。

 また、新宗教は高度経済成長期に地方から都市に出てきた労働者にコミュニティを与える形で急成長した面もありますが、現在では、インターネットなどで簡単に人と繋がることができる時代になり、若者が入会しなくなった。信者の高齢化が進むと同時に、創始者の世代交代によって“絶対的カリスマ”が不在となれば、さらに信者が減少していくのは避け難い状況になっています」

●取材・文/小川寛大(季刊『宗教問題』編集長)

※週刊ポスト2019年7月19・26日号

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