国内

京アニ被害者、友人に「今後何回もエンドロールに名前載るよ」

火災は30人以上の命を奪った

火災は30人以上の命を奪った

 単独犯による犯行で戦後最大の被害者を出した京都アニメーション放火事件。34人の命を奪ったのは青葉真司容疑者、年齢は41才だ。

 事件発生後、初めての週末。事件現場からは人の姿が途絶えることがなかった。3階建ての建物は一目で、中が全焼していることがうかがえる。ベージュのタイル貼りの外壁は黒く煤けていて、窓枠やベランダの手すりは、ぐにゃりと曲がっている。近づくと、焦げたようなにおいが鼻をつく。献花台に花を捧げ、頭を垂れる人たちには、外国人や若者の姿も目立つ。

 アニメ制作会社は、NHKの朝ドラ『なつぞら』の舞台でもあり、注目を浴びる存在でもあった。特に京アニは、多くのヒット作品を生み、優秀な人材を輩出するなど、アニメ業界でも一目置かれるアニメーターたちの夢の会社である。

 亡くなった34人、負傷した34人(7月23日現在)は、ここに至るまでそれぞれの道を歩んできた。

 献花台から少し離れたところで、小柄な老いた女性が肩をふるわせていた。握りしめた花束に顔を埋めて嗚咽を漏らし、何度も深呼吸をしている。短い髪には白髪が交じっている。

「昨日も来たんやけど」と語る79才の女性は孫を失った。

「花が好きな子やったからな。絵も好きで。私は反対してたんです、もっと普通の仕事をしたらと。でも本人は絵がやりたいと。ここで仕事をして、もう5~6年になるのか。最後に会ったのは4月やったんですけどね。そんなに深く話もできてなかったのに…人様になんの迷惑もかけていないのにあんな死に方なんて…たまりません」

 涙を止めることのできない若い女性は、高校時代の友人“メグ”を奪われた。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト