『主戦場』では主題である慰安婦問題とは無関係な映像が繰り返し流される(YouTubeで公開された予告編より)

「大阪高裁の判決要旨にも書かれている通り、日本側は終戦後の混乱に乗じて朝鮮人徴用工らが暴動などを起こすことを恐れたために、早急に朝鮮に帰還させようとした。日本軍の軍人も乗組員として乗船しているのに、なぜ、わざわざ舞鶴湾で自沈するのでしょうか」(在韓国ジャーナリストの藤原修平氏)

 韓国政府は大阪高裁の判決後、2005年から2010年まで5年間にわたり真相調査を行なったが、韓国側が求める“成果”は得られなかった。

 なお、予告編は現時点で未公開だが、映画『浮島丸』のポスターは扇動的だ。

「メインのビジュアルに安倍晋三首相の顔写真を用い、〈独島(註・竹島の韓国名)は日本領だ/慰安婦は補償した/強制徴用はなかった/生体実験は証拠がない/浮島丸は事故だった/殺人者、日本/真実を隠している〉と安倍首相に対する憎悪を掻き立てる文言が並んでいます。

 現在の韓国社会は、“悪の権化である安倍”を叩けばいかなる反日も正当化される風潮がある。このポスターのデザインも、その流れに乗ろうとしているだけに見える」(同前)

 ここまで史実を軽視した反日作品を並べられると、言いようのない悲しみに胸を衝かれる。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏も、韓国社会の宿痾を嘆息する。

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