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高殿円×宇垣美里「恋愛が二の次で何が悪いの?」で合意

高殿円さんと宇垣美里さんが対談

 ベールに包まれた外商の仕事を赤裸々に描いて人気の小説『上流階級 富久百貨店外商部』(高殿円・著)。シリーズ続編(文庫版第2巻)の発売を機に、かねてから同作のファンだったというフリーアナウンサーの宇垣美里さんと著者の高殿さんとの対談が実現しました。

 * * *
宇垣:私は子供の頃から百貨店が大好きで、両親によく連れて行ってもらっていました。でも上級顧客を扱う外商部とは、もちろんまったく無縁。『上流階級 富久丸百貨店外商部』でその実像に触れ、うわぁ、本当にこんなきらびやかな世界があるんだと、驚きました。高殿さんは、なぜこの本を書こうと思われたのですか?

高殿:たとえばロンドンに行くと、ハロッズやセルフリッジズなどの老舗百貨店は今なお憧れの存在です。でも、一巻を書いた当初は、関西は今のようにインバウンドの恩恵もなく、日本の百貨店は元気が無いと言われていました。それが悔しくて、何かのかたちで応援したいという気持ちがあったのかもしれません。

宇垣:そうだったんですね。そして、舞台として選ばれたのが、百貨店の中でも特殊というか、特別な仕事を担当している外商部です。

高殿:他のすごい作家さんたちがすでに手を付けているところを、後から私が書いてもなかなか注目されないだろうと思っていました。ここに鉱脈があるんじゃないかと勘が働いたのが、百貨店の外商という仕事だったんです。

宇垣:私たちの慎ましやかな生活とはまったくかけ離れた世界なのに、まるで隣町で起こっている出来事のように感じるリアルなエピソードが満載です。読んでいて、もしかしたら高殿さんは、百貨店の外商に勤められたご経験があるのではないかと思いました。

高殿:うれしい。取材をもとに想像力をフル稼働して書いた作品なので、著者にとって一番の褒め言葉をいただきました。

宇垣:外商部はまさしく“上流階級”の方々を相手にされる仕事です。情報管理も徹底されていると思います。取材するのは難しくありませんでしたか。

高殿:百貨店を舞台にした小説はあっても、外商部にフォーカスしたものはありません。他の作家さんがなぜ書いていなかったか。宇垣さんがおっしゃるとおりリサーチが難しいんですね。私は、いつも出たとこ勝負。思い立ったらまず突撃取材をするんです。

宇垣:突撃ですか! いきなり乗り込んでいくわけではないですよね(笑)。

高殿:まぁ、似たようなものですけれど(笑)。国内の有名百貨店の広報部に、かたっぱしから外商部の取材をしたいと申し込みました。でも、どの百貨店も口裏を合わせているんじゃないかと思うくらい見事に返事はNO。そんななかかで唯一、ちょっとだけなら話を聞いてあげてもいいよと、門戸を開いてくれたのが大丸さんだったんです。

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