『なつぞら』の主人公・なつのモデルは、ご存知日本の女性アニメーター第一号。物語では「アニメーターになる」というのが、いわばなつの「最大の夢」です。しかしそれが早い段階で実現したせいか、波乱万丈のエピソードはあまりなくチマチマと似たようなエピソード、恋愛・結婚話の繰り返しに。朝ドラの名作『てるてる家族』のファンとして大森寿美男氏の脚本に期待していた一人としては、ちょっとハシゴをはずされた観があります。

 一方の『おしん』は、テレビドラマ最高視聴率記録を叩き出した金字塔。奇しくも、こちらもスーパーマーケットの社長となった「女性の一代記」をヒントにした物語(あくまでヒントと脚本担当・橋田壽賀子氏)。その点、『なつぞら』と共通しています。

 しかし、『おしん』の物語の展開力といったら段違い。時代と個人の物語がクロスし次からへ次へと話は転がり目が離せない。東北の貧乏な家に生まれ丁稚奉公から出発し、東京で髪結になり、羅紗店のボンボンに見初められ奥様となり子供も生まれ幸せと思ったとたん、関東大震災で工場をすべて失い……と浮いたり沈んだり、ハラハラドキドキ。手に汗握る物語が連日続いています。

 対して『なつぞら』は……またもや兄・咲太郎の結婚話ですか。もうお腹いっぱい。

 なつは戦災孤児として北海道で苦労して育ち、高度経済成長期の大東京へ乗り込んだ。激動の出来事も多々あったはずだし、アニメ業界の開拓者としても苦労の日々だったはず。残された1か月半の時間、もっと大胆に伸び伸びと物語を展開していってほしい。『なつぞら』に、秋風が吹かないことを祈ります。

関連記事

トピックス

虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
亡くなったアンナ・ケプラーさん(TikTokより)
巨大クルーズ船で米・チアリーダー(18)が“謎の死”「首を絞められたような2つのアザ」「FBIが捜査状況を明かさず…」《元恋人が証言した“事件の予兆”》
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
決定戦で横綱を下した安青錦(写真/JMPA)
【最速大関・安青錦の素顔】ウクライナを離れて3年、なぜ強くなれたのか? 来日に尽力した恩人は「日本人的でシャイなところがあって、真面目で相撲が大好き」、周囲へ感謝を忘れない心構え
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
主演映画『TOKYOタクシー』が公開中の木村拓哉
《映画『TOKYOタクシー』も話題》“キムタク”という矜持とともにさらなる高みを目指して歩み続ける木村拓哉が見せた“進化する大人”の姿
女性セブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト
CM露出ランキングで初の1位に輝いた今田美桜(時事通信フォト)
《企業の資料を読み込んで現場に…》今田美桜が綾瀬はるかを抑えて2025年「CM露出タレントランキング」1位に輝いた理由
NEWSポストセブン
亡くなったテスタドさん。現場には花が手向けられていた(本人SNSより)
《足立区11人死傷》「2~3年前にSUVでブロック塀に衝突」証言も…容疑者はなぜ免許を持っていた? 弁護士が解説する「『運転できる能力』と『刑事責任能力』は別物」
NEWSポストセブン